今回は「胸郭出口症候群」という症状について書いていこうと思います。
皆さんは
・肩を挙げるときに痺れや痛みがある
・安静時に指や腕がうずくような感覚がある
・物が持ちづらくなった、握力が低下してきた
・手に血が通っていない感覚がする
・立ちくらみをするようになった
などの症状はありませんか?
もしかしたらそれは「胸郭出口症候群」の可能性があります。
〇胸郭出口症候群とは
胸郭出口症候群は頸椎から鎖骨の下を通って胸、腕に向かって伸びている腕神経叢や鎖骨の下を通る鎖骨下動脈の圧迫によって起こる症状です。
神経が圧迫されることによって、痛みや痺れ、筋力低下などが起こり、血管が圧迫されることで筋肉が硬くなったり、動かしづらさが出てしまいます。
原因としてはデスクワークなどで猫背の姿勢が多いことで圧迫されてしまうことやなで肩で圧迫されやすくなること、重いものを持ち上げることが多いことで筋肉が緊張して圧迫されてしまうことなどが考えられます。
神経症状の為、強い痛みや痺れで生活に支障をきたすことがとても多くあります。
血流の悪さから自律神経に影響を及ぼしてしまい、頭痛やめまい、だるさなどを引き起こしてしまうことも多くあります。
一度症状が悪化してしまうと治りづらく、病院や整骨院などで治療をしても半年から長い人では1年症状が続いてしまう方もいらっしゃいます。
初期症状の段階で通院することがとても大切です。
〇胸郭出口症候群への当院のアプローチ
当院では胸郭出口症候群の症状に対しては首や肩、肩甲骨周りの筋肉を緩めるための「マッサージ」の施術や胸郭を広げ肩甲骨の動きを良くするための「肩甲骨はがし」の施術を取り入れています。
・マッサージ
首、肩、肩甲骨周り、胸周りの筋肉が緊張することで巻き肩が強くなり、胸郭が狭くなり鎖骨が下方に変異します。その結果神経や血管が圧迫されて胸郭出口症候群の症状が現れます。視診、触診で悪くなっている筋肉を判断しそれに対して指圧を行うことで血流を良くして筋肉を緩めることで症状の緩和を促します。
・肩甲骨はがし
肩甲骨には僧帽筋、棘上筋、棘下筋、大円筋、小円筋、菱形筋、肩甲下筋、前鋸筋、肩甲挙筋などのあらゆる筋肉がついています。肩甲骨の位置がずれることでそれぞれの筋肉が正常に動かなくなりそれが巻き肩や肩の動きの悪さを作ってしまいます。一つ一つの筋肉の本来の動きを筋肉を抑えながら他動的に動かすことで本来の動きを取り戻し肩甲骨の位置を正常に戻すことを目的にした施術です。施術を行うことで肩の動きが良くなり、胸が張れるようになります。それが神経や血管の圧迫を緩和して症状の緩和を促します。
〇施術期間・通院ペース
筋肉は72時間で元に戻ろうとする作用があるため、戻りきる前に施術を受けて頂くために通院ペースは週に2~3回の通院が理想です。もちろん週に2~3回で来ないと良くならないわけではありませんが、なるべく早く症状を緩和していくためには理想のペースでの通院をオススメしております。症状や悪くなってからの期間にもよりますが、週に2~3回のペースで通院頂いている方で早いと3ヶ月で症状の緩和が見られます。ですが、症状が悪くなってからの期間が長い方は6~9ヶ月かかっている方もいらっしゃいます。なるべく早い通院がとても大切です。
〇セルフケア
特に症状に影響を及ぼしやすいのが首から鎖骨・肋骨に伸びている「斜角筋」という筋肉と胸についている「小胸筋」という筋肉の緊張が考えられるため、ご自身でこの筋肉をさすることがオススメです。斜角筋をアプローチするために鎖骨の上を親指以外の4本の指でさすることや肩に近い胸のところを人差し指と中指、薬指でさすることで筋肉を緩められると効果的です。また、肩を回したり温めたりして血流を良くすることも効果的なので、試してみてください。
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